研究開発

Research & Development

航空機、宇宙機器設計技術

惑星探査関連技術の検討(横浜工場)

次代の伸展展開構造物へのニーズを読み取り、革新的な性能向上に挑む!

横浜工場では、「ひとみ」に搭載された高剛性伸展マスト等に代表される伸展展開構造物を衛星システムに提供し、世界の宇宙探査や天文観測に貢献してきました。これからの様々なミッションに対応できるように、更なる高度化をはかり、革新的な性能向上の研究を行っています。

成果

  • 「ひとみ」には、X線望遠鏡の光軸と焦点距離を確保するために、折り畳み式の高剛性伸展マストが採用されました。
  • X線望遠鏡は、「あすか」、「すざく」、「ひとみ」と大型化及び焦点距離の長尺化が行われており、それに伴い高剛性伸展マストは大型化してきました。特に、マスト立ち上げ機構(キャニスタ)の大型化は収納時寸法の長尺化へとつながり、衛星システムへ多大なインパクトを与えます。そこで、本研究では高剛性伸展マストの収納時寸法を画期的に小さくするべく以下の検討を行いました。
  • ①キャニスタを「伸展式」とし、収納状態のデッドスペースをなくす。
  • ②キャニスタを伸展させる駆動機構と、マストを繰り出す駆動機構をひとつの機構とし、高効率化を図る。
  • 本案は特許を申請し、技術検討、試作、試験を行い、その機能・性能を確認しました。
画像をクリックすると拡大いたします。

内装式ランチャーシステムの研究(横浜工場)

将来の戦闘機はステルス技術の適用が考えられています。ステルス技術の一つに兵器内装化(胴体内に飛翔体等を収納する)技術があります。

NIPPIは国内唯一のランチャー専門メーカーとして、内装ランチャーシステムの研究に取り組んでいます。

内装ランチャーシステムから発射される飛翔体の運動解析

材料加工、整形技術

クロス材を用いた複合材の自動積層(横浜工場)

複合材加工技術の開発

クロス材(織物材)を使用した複合材部品では、手作業による積層がほとんどで、コストアップの要因の一つとなります。そこで、この作業を自動化すべくクロス材プリプレグ自動積層機の開発に取り組みました。部品形状に裁断されたプリプレグを自動で平板積層する機構を開発、特許を取得しました。

航空機構造部分品の軽量・
低コスト製法の研究(横浜工場)

横浜工場では、当社の得意分野である動翼、リブ、ドア等を中心に航空機構造部分品の低コスト製法の研究を行っています。

特に複合材の低コスト成形技術に注力し、複合材設計・製造技術の高度化を推進するとともに、それぞれの成形技術の特徴を生かした設計による軽量化も図っています。これらの研究成果はエアショーでも紹介しており、世界から多くの関心を集めています。 軽量・低コスト化への挑戦を通じ、設計技術と製造技術を融合・発展させ、新たな設計ソリューションと製品の提供を目指しています。
画像をクリックすると拡大いたします。

金属加工技術の開発(横浜工場)

横浜工場では、航空機・宇宙機器部品のような少量生産に好適な複雑一体化構造を製作する加工技術の開発のために研究開発を推進しています。
画像をクリックすると拡大いたします。

検査技術

電装品の自動検査(厚木工場・横浜工場)

生産性改善の研究

航空機装備品検査の自動化(厚木)

航空機のアビオニクスをはじめとする装備品の自動検査装置の研究を実施し、その研究成果を元に、自動検査装置を独自で開発しました。検査の自動化のための手順のプログラム化、COTS化の流れの中で一般的となったモジュール式計測装置の活用、そしてLabVIEWによる汎用テスト・プラットフォームの構築を研究し、自動検査装置の開発へ結実させることができました。

成果

研究開発の成果を元に開発した自動検査装置は現在、厚木工場にて多くの機体装備品の自動検査に活用され、検査の効率化と品質の安定化に役立てられています。

生産管理板の電子化(横浜)

国際競争が激しくなる中、“ものづくり”現場の効率化のための生産管理情報のデータ化とその活用はますます重要になっています。当社では、タブレットを用いた生産管理板の試験運用を実際に現場で行い、生産性改善のための調査を実施しています。
成果

ペーパーレス化によるデータ取得の負荷低下が確認されています。